クレート（ゲージ）

クレートは震災時の犬の居場所になるから必要だ、という説がある。

だからクレートで過ごさせるのが良いと考える人がいる。

 

でも、慣らすためのトレーニングなら、５分～３０分以内で良いはず。

 

いつ起きるか分からない震災のために、明日死ぬかも分からない愛犬をクレートに閉じ込めておくのは如何なものかと疑念が尽きない。

 

ノーリードで服従科目が出来る犬なら人間の指示で何処にでも行くし何処ででも待機する。

究極、あなたが死ねというなら私を今すぐ殺してもらっても構わないと考える、犬とはそういう生き物である。

 

作業犬や競技犬はクレートで待機している。

但し、それはクレート内で集中させ、出た時に作業や競技へ犬のエネルギーを爆発させるためである。

日常的には作業に必要な事しか教えず犬の放牧なんて有り得ないし、道具として徹底的に洗脳していく。

 

同じことを中途半端に一般家庭でやれば、クレートから出た喜びと開放感から犬のコントロールが効かなくなっていく。

閉じ込めた人間への不信感が増幅し信頼関係にもヒビが入る。

 

施錠された狭い所で長時間待たせれば、反動のエネルギーは時間に比例して増幅されている場合が多い。

何か使役目的があるなら有効かもしれないが、家族、パートナーという関係を望むなら不向きな道具である。

クレートトレーニングとやらをするくらいなら、服従科目を毎日３０分練習した方が将来的にお互いのためになる。